
この企画では、北米にあるオーソドックスな食べ物を食べ比べ。今回は、「ジャンクな食べ物万歳!」というプーティーン好き女子Tと、プーティーンはちょっと苦手で今までに食べたのは1、2回ほど…というMがプーティーンを食べ比べてみました。
M :私実は、プーティーン苦手なんですよね。揚げたポテトに脂っこいグレイビーソースをかけて、さらにチーズを乗せる、というのが聞いただけでお腹いっぱいというか……。だからカナダ料理をカナダで食べたい、という気はあるんだけれど、プーティーンはどうしても避けてしまう。
T :美味しいものと美味しくないものの差が大きいかもしれませんね。美味しいのはすごく美味しいけど、美味しくないものを食べると、「まずい!」ってなる。
Traditional Poutine
M :じゃあとりあえず、典型的なプーティーンを食べてみましょうか。まず一軒目は、プーティーン専門店の「Smoke's Poutinerie」。カナダ全土とアメリカにお店があるので、一番有名なプーティーン屋さんと言えるかもしれません。ポテトにグレイビーソースをかけて、ケベックのチーズカードをのせた、これぞプーティーンといったものが「Traditional Poutine」。ほかにもベーコンやプルドポークをのせたもの、ステーキをのせたものにベジタリアン向けのプーティーンなど、多種多様な味があります。
T :この「Traditional Poutine」、味が濃い! ブイヨンの味がすごくしっかりしてますね。
M :思ったより脂っこくないかも。チーズカードがさっぱりしてて、適度な噛み応えがある。日本の裂けるチーズみたいな感じ。グレイビーソースもスパイスの味が効いてて、意外とさっぱり食べられます。
T :底の方にもソースがまんべんなくかかってていいですね。チェーン店だけど、フライドポテトにも手作り感があって、きちんと作ってる感じがします。でもこのポテト、ちょっと柔らかすぎるかなあと。
M :グレイビーソースかかったら、どれも柔らかくなるんじゃない? プーティーンって、スナックとか、おやつ感覚で食べられますね。日本でいうコロッケのような。
T :確かに! 私はランチでもいいですけど。
Smoke's Poutinerie アネックス店
490 Bloor St. W.
416-588-2873
Holy Chuck Fries
M :お次は「Holy Chuck」の「Holy Chuck Fries」。フライドポテトにチリコンカンがかかっていて、辛さをマイルドかスパイシーから選べます。今回はマイルドを選びました。
T :これは……プーティーンじゃないかも。
M :そもそもお店はプーティーンって言ってないしね。もちろんポテトにグレイビーソースをかけてチーズカードをのせたものがプーティーンなんだけど、それにさらに肉や野菜をのせたり、シーフードを使った派生のものもあるから、この「Big Chuck Fries」もプーティーンの一種としてもいいでしょうか。
T :まあ、プーティーンの線引きって難しいところありますからね。では今回はそういうことで。この「Big Chuck Fries」のチリコンカン、すごくお肉の味がして美味しい。ベーコンもカリカリしてて、全体的に食事って感じがしますね。
M :ボリュームもすごいし、スナックというより完全に食事の一品ですね、これは。お肉も豆も野菜も入っててトマトの味が濃くて、プーティーンの中ではヘルシーな感じ。ビールのおつまみとかにいいかも。
T :おつまみにしては味が薄いかな、と個人的には。
M :そうかなあ? ここのハンバーガーもすごく美味しいけど、けっこうボリューミーで味がしっかりしてるんですよね。だから、サイドディッシュにこのHoly Chuck Fries は、ちょっと重いかも。
T :友達と来てみんなでシェアしたらいいかもしれません。
M :確かに。あと、アイスクリームをほぼ100%使っているという、ここのシェイクも滑らかで甘さ控えめでオススメです。
T :レギュラーのイチゴ味のチェイク、イチゴヨーグルトみたいな味で美味しいですね。でもそれを飲んでBig Chuck Friesを食べたら、その日の夕飯は抜かした方がいいかもしれませんね……。
M :そうね、カロリー的にね……。
Specialty Shakes Strawberry $4.99
Holy Chuck Burgers セントクレア店
1450 Yonge St.
416-962-4825
Kimuchi Fries
M :ベトナムのサンドイッチ、バインミーのお店の「Banh Mi Boys」にある「Kimuchi fries」。フライドポテトにプルドポーク、キムチ、マヨネーズが乗った一皿です。
T :これは豚マヨキムチですね!
M :日本人になじみ深い感じの味ね。このプルドポークが角煮みたいな甘めの味で、なおかつ少しスモーキーな味わい。この組み合わせはなんとなくお好み焼きを彷彿とさせるかも。
T :キムチがさっぱりしてて、辛くないですね。だからすごくあっさり食べられます。
M :甘めのお肉、ネギの辛みにキムチの酸味、甘辛酸っぱい全部の味が交互に来るから、食べ飽きない感じ。
T :プーティーンってものによっては、味に物足りなさがあるけど、これはなくて、完璧ですね!
M :絶賛だね。
T :今まで食べた中で一番好きかもしれません。
M :日本人に合う味ですよね。でも、プーティーンというよりアジアフュージョンのオリジナル料理って感じかしら。どちらにせよこちらも、バインミーとかのサイドとしてはやっぱり重い気がします。
T :2人でサンドイッチをそれぞれ注文して、このフライをシェアするとちょうどいいくらいかも。
Banh Mi Boys ヤングXカレッジ店
399 Yonge St.
416-977-0303
Poutineville
M :モントリオールを中心に5店舗ある「Poutineville」は、13種類のプーティーンのほか、ポテトのカットの仕方から乗せるチーズの種類、トッピング、ソースなどこと細かく指定して自分のオリジナルのプーティーンを作ってもらえます。
T :今まで行ったお店はファストフード店でしたけど、ここはレストランですね。
M :そうね、周りを見ていると、みんな一人一皿注文して、食事として食べているみたい。日本でいう丼ものみたいな扱いなのかしら。
T :牛丼的な。
M :そうそう。お肉とかのトっピングや全体のボリュームが多いし。では、お店のおすすめメニュー「Poutineville」をいただきましょうか。フライドポテトに、牛肉と赤ワイングレイビーソース、チーズカード、モッツァレラが乗っております。
T :うわー…これは…ハヤシライスですね。
M :うん、ハヤシライスだね。お米じゃなくてポテトだけども。食事として食べるの納得ですね。
T :赤ワインがすごく良い香り。赤ワインのグレイビーソースがさっぱりしてます。そしてポテトのクオリティが高い。ソースがかかっているのにもかかわらず、サクサクしてる。
M :このポテト、通常の細長い形じゃなくて、乱切りみたいにゴロゴロしてますね。このほうが確かにフォークで食べやすいです。
T :お肉がたっぷり乗っていて、B級グルメやサイドメニューというよりは、本当に一皿の食事って感じ。
M :かかっているのもグレイビーソースというより、ハッシュド・ビーフのソースですよね。コクがあるけどさっぱりしてて、上品な味です。観光に来た友人や家族に、「カナダ料理のレストランに行きたい」って言われたとき、ここに来たらいいかも。
T :たしかに。カナダ料理ってよく聞かれるけど、すごく困るんですよね。そういう時にもいいですね。
Poutineville トロント店
296 Brunswick Ave.
647-349-2345
M :食べ比べてみて、典型的なプーティーンだけでなく、色々な派生のものがあって幅が広いことに驚きました。今まで、派生のモノも味が似ているイメージだったんですけど、一口にプーティーンといっても、味が千差万別なんですね。
T :軽食としてのプーティーン専門店に、ハンバーガーやバインミーなどのサイドメニュー、そしてプーティーンをメインに扱うレストランなど、さまざまな飲食店がそれぞれ工夫を重ねていて、進化をしているように感じました。皆さんも、ぜひ試してみてください。